第40章

ブレスレットの件を片付けた後、樋口浅子はアクセサリーを手に持ちながら、似合うドレスがないか見てみようと思った。

数歩歩いただけで、とても斬新な店舗が目に入った。

樋口浅子が見渡すと、店内の装飾はどこも和モダンのテイストに溢れていた。

木製の障子には優雅な波の文様が彫られ、古風で上品な雰囲気を醸し出している。青灰色の壁の前には、独特な形の翡翠の置物が並べられ、伝統的な風情が漂っていた。

「いらっしゃいませ、ドレスをお探しですか?」

「詳しく教えていただけますか」

「翡翠のイブニングドレスは当店の特徴でございます。素材にこだわり、細部まで丁寧に仕上げておりますので、どのようなパーティ...

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